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熱中症対策、お口の中からもできることがあります|夏のお口の乾きと歯のトラブル

熱中症対策、お口の中からもできることがあります|夏のお口の乾きと歯のトラブル

こんにちは。がもう四丁目歯科です。

今年も、暑い夏が近づいてきました。
ニュースでは、熱中症への注意喚起が連日続いています。

熱中症対策というと、

水分をこまめにとる
塩分・ミネラルを補給する
涼しい場所で過ごす
帽子・日傘を活用する
十分な睡眠をとる
といった対策が、すぐに思い浮かぶかと思います。

ただ、ご存知でしょうか。

お口の中の状態が、熱中症のリスクと深く関わっていることを。

そして逆に、

熱中症対策のつもりで行っていることが、お口のトラブルを引き起こしていることを。

今日は、歯科の視点から、夏のお口とのつき合い方をお伝えします。


唾液は、夏のお口を守ってくれる"天然の冷却装置"
私たちのお口の中では、1日に1〜1.5リットルもの唾液が分泌されています。

唾液には、

食べ物を消化しやすくする
お口の中を清潔に保つ
細菌の繁殖を抑える
歯の表面を保護する
飲み込みをスムーズにする
発音をしやすくする
といった、たくさんの役割があります。

そして、夏に特に重要になるのが、

「お口の中を潤し、体温調節を支える」

という働きです。

唾液の99%以上は水分です。
ということは、体が脱水状態になると、まず唾液の量が減っていきます。

唾液が減るとどうなるか――次の項で見ていきます。


唾液が減ると、何が起こるのか
夏の脱水傾向で唾液が減ると、お口の中では次のような変化が起こります。

① 口の中がねばつく
唾液の量が減り、質も変化することで、お口の中が粘っこく感じられます。
朝起きた時に強く感じる方が多いですが、夏の日中にも起こる現象です。

② 口臭が強くなる
唾液には、お口の中の細菌をコントロールする働きがあります。
唾液が減ると、細菌が増えて口臭が強くなる傾向があります。

③ 虫歯のリスクが上がる
唾液は、食事のたびに酸性に傾いたお口の中を中和してくれます。
唾液が少ない状態が続くと、歯の表面が酸にさらされる時間が長くなり、虫歯になりやすくなります。

④ 歯周病が悪化しやすくなる
唾液による自浄作用が落ちることで、歯ぐきの炎症も進みやすくなります。

⑤ 味覚が鈍る
唾液は、食べ物の味を感じるためにも必要です。
唾液が少ないと、食べ物の味が分かりにくくなり、結果として食欲が落ちることがあります。

⑥ 飲み込みづらくなる
唾液は、食べ物を飲み込みやすくする役割もあります。
唾液が少ないと、飲み込みづらさ・むせやすさにつながります。

つまり、夏の脱水傾向は、お口の中のあらゆる機能に影響を与えるということです。


熱中症と"お口の乾き"の悪循環
ここで注意していただきたいのが、お口の乾きと熱中症の悪循環です。

体が脱水気味になる
 ↓
唾液が減る
 ↓
お口の中が乾く・違和感が出る
 ↓
食事や水分摂取が、何となく億劫になる
 ↓
さらに水分・栄養不足が進む
 ↓
脱水・熱中症のリスクがさらに上がる

特にご高齢の方では、

口渇感(喉の渇き)を感じにくくなる
服薬の影響で唾液が減りやすい
食事量がもともと少ない
一人暮らしで、声かけがない
といった要因が重なり、気づかないうちに重度の脱水に進んでしまうことがあります。

お口の乾きは、脱水の早期サインとして、ぜひ意識していただきたいポイントです。


"熱中症対策のつもり"が、歯のトラブルを招くこともあります
ここで、もう一つお伝えしたいことがあります。

夏の水分・塩分補給のために、

スポーツドリンク
経口補水液
フルーツジュース
炭酸飲料
アイスやかき氷
冷たいゼリー飲料
を、頻繁に口にする機会が増える方も多いと思います。

これらは、熱中症対策としては有効です。
ただ、お口の中にとっては、決して優しい飲み物・食べ物ではないことを、知っておいていただきたいと思います。

スポーツドリンクの落とし穴
熱中症対策の代表格であるスポーツドリンクは、糖分と酸を含んでいます。

飲んだ直後、お口の中は酸性に傾く
歯の表面のエナメル質が、わずかに溶ける(脱灰)
唾液が中和して、元に戻す(再石灰化)
という流れが、本来は正常に働くのですが、

一日中、ちびちび飲み続けていると
お口の中が常に酸性のままになり
再石灰化する時間が取れず
歯がじわじわと溶け続ける状態になります
これを、**酸蝕症(さんしょくしょう)**と呼びます。

「熱中症対策のつもりが、虫歯でもないのに歯が溶けていた」――こうしたケースが、毎年夏に増えています。

経口補水液も同様
医療機関で勧められることも多い経口補水液ですが、こちらも糖分・電解質を含み、長時間お口にとどめると同じリスクがあります。

「医師から処方された経口補水液だから安全」ではなく、飲み方が大切です。

冷たいもの・甘いものの連続摂取
アイス・かき氷・ジュース類の連続摂取は、

知覚過敏の悪化
詰め物の境目への刺激
虫歯リスクの上昇
につながります。
特に過去に治療した歯が多い方は、夏場に違和感が増しやすいので注意が必要です。


夏の水分補給で、歯を守る5つの工夫
「水分を取らないわけにはいかない」――その通りです。
熱中症対策を続けながら、お口の健康も守るための工夫をお伝えします。

① ベースは、水か麦茶
水分補給のメインは、糖分・酸を含まない水か麦茶を基本にしてください。
スポーツドリンク・ジュース類は、汗を大量にかいた後・運動後など、必要なタイミングに絞るのが基本です。

② ちびちび飲まず、まとめて飲む
スポーツドリンクや甘い飲み物を飲む時は、

短時間で飲み切る
ストローを使って、歯に直接かからないようにする
飲んだ後、水で口をすすぐ
これだけで、お口の中の酸性時間を大きく短縮できます。

③ "口を潤す"こと自体を意識する
喉の渇きを感じる前から、こまめにお口を潤すことを意識してください。
お口の中の乾燥が始まる前に水分を――これが、熱中症対策とお口の健康の両方を支えます。

④ 飲んだ後に、すぐに磨かない
酸性の飲料を飲んだ直後は、歯の表面が一時的にやわらかくなっています。
飲んだ直後にゴシゴシ磨くと、歯が削れやすくなることがあります。
30分〜1時間ほど時間をおいてから歯みがきをするのが理想です。

⑤ 唾液腺マッサージ
唾液量が減りやすい時期は、お口の周りの唾液腺を優しくマッサージすることで、分泌を促せます。

耳の下(耳下腺)
あごの下(顎下腺)
舌の付け根(舌下腺)
を、指で軽く押すように円を描いて10回ほどマッサージ。
食事前・お風呂のなかなど、ちょっとした時間にできます。


マスクとお口の乾燥
近年は、夏でもマスクを着用される機会がある方もいらっしゃるかと思います。

マスクを着けていると、

口呼吸になりやすい
お口の中が乾きやすい
喉の渇きを感じにくい
という変化が起こります。

「マスクをしていると、いつの間にか脱水になっていた」というケースが、近年とても多く見られます。

マスクを着用される方は、

意識的にこまめに水分を取る
マスク越しでも、舌で軽く口蓋(うわあご)に触れて、鼻呼吸を意識する
マスクを外せる時間に、しっかりお口を潤す
を心がけてみてください。


こんな方は、夏の前に一度ご相談ください
口の乾きを、日常的に感じている方
過去に治療した歯が多い方(スポーツドリンク等の影響を受けやすい)
スポーツや屋外作業で、毎日スポーツドリンクを飲む習慣がある方
ご高齢のご家族で、食事量・水分量の低下が気になる方
服薬中で、口が乾きやすい自覚のある方
知覚過敏の症状がある方
連載5本目「むし歯になりやすい体質か知りたい方へ|唾液検査」で書いたような、ご自身のリスクを客観的に知りたい方
「夏の歯科相談」として、お気軽にお越しください。


ご家族の脱水サインに気づくために
ご高齢のご家族と一緒に暮らしておられる方、あるいは離れて暮らしていても気にかけておられる方へ。

夏場、ご家族の脱水傾向は、お口にサインとして現れることがあります。

会話中、口の中の音が乾いた感じになる
食事の時に、以前より飲み込みづらそうにしている
口臭が、夏になってから強くなっている
食事の量が減っている
食べこぼしが増えている
ぼんやりした表情が増えている
これらは、「夏バテ」「年のせい」と見送ってはいけないサインであることがあります。

歯科の視点からのチェックも含めて、一度ご相談いただく価値があります。

詳しくは、前回の連載21本目「食事中にむせるようになった方へ|オーラルフレイル」もあわせてご覧ください。


がもう四丁目歯科での夏のサポート
ご来院時には、

唾液量の確認
お口の中の乾燥度のチェック
過去の治療歯の状態確認(酸蝕症のサインがないか)
知覚過敏の症状の有無
セルフケアの夏向けアドバイス
必要に応じた唾液検査
を行います。

「夏になると、毎年お口の調子が悪くなる」とおっしゃる方には、その背景を一緒に整理して、来年からの対策まで含めてご提案できます。


夏は、お口にとっても"頑張りどき"です
夏は、体にとって大きな負担のかかる季節です。
そして、お口にとっても同じです。

普段は意識しないお口の働きが、夏場ほど、ありがたく感じられる季節はありません。

唾液が、お口を潤してくれる
噛む力が、しっかり食事を支えてくれる
健康な歯ぐきが、細菌から守ってくれる
これらが当たり前に機能している間に、しっかりメンテナンスをしておく。
そして、何かサインが出てきたら、見送らずに対応する。

それが、夏を健やかに過ごすための、お口の側からの準備です。

熱中症対策の一つとして、お口の状態を整えるという選択肢を、ぜひ覚えておいていただけたらと思います。


ご予約・お問い合わせ
医療法人 がもう四丁目歯科
〒536-0004 大阪市城東区今福西3丁目1-3 M'プラザ蒲生四丁目駅前1階
(地下鉄蒲生四丁目駅 2番出口 徒歩10秒)
TEL:06-6180-9991
初診専用ダイヤル:0120-619-758

【監修】医療法人 がもう四丁目歯科 理事長 廣松秀隆

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